昨年6月に10年固定金利で一気に0.3%程度の上昇を見せた住宅ローン金利ですが、8月以降少しづつ低下していき、2013年11月にはほぼ現在の金利水準まで下がりました。2014年5月現在の住宅ローン金利は低いところで、変動金利0.599%、5年固定0.5%、10年固定1.1%、35年固定でも1.9%とかなり低い金利になっています。また、フラット35も返済期間20年以下のタイプで1.45%、20年超で1.73%まで低下しています。
この住宅ローン金利の低下に伴って、住宅ローンの借り換え相談も増え、多くのお客様の借り換えが進みました。借り換えする際のポイントとして、お客様からの相談で多いのは以下のような内容です。
①変動金利を選択するのか、一定期間の固定金利を選択するのか、全期間固定金利を選択するのか、あるいはそれらのミックスで借り換えた方が良いのか。全期間固定を選択する場合は、民間の金融機関の方が良いのか、フラット35で団信保険料は自己負担した方が良いのか、フラット35で団信に入らず民間の生命保険に加入した方が良いのか。
②元利均等返済にするのか、元金均等返済にするのか。
③がん保障特約や3大疾病保障特約や8疾病保障特約などを付加した方が良いのか、あるいは別の保険でカバーした方が良いのか。あるいは付けなくても良いのか。
④自己資金を多く投入して借り換えの金額を少なくした方が良いのか。あるいは、将来、定期的に繰上返済した方が良いのか。
まず、①に関して、変動金利を選択する場合は、「家計の見直し相談センター」独自の金利変動シミュレーションを用いて、将来の住宅ローン金利がどのように上下動したら返済金額がどのように変動するかをシミュレーションし、大まかな金利上昇変化幅の損益分岐点を把握します。あるいは金利急上昇の場合の返済金額をシミュレーションし、そのようなことが万一起こったとしても、ローン返済に支障がないのか、あるいは、いざという時に繰上返済で金利負担を軽減できるのか、といったことを確認し、変動金利を選択するかしないのかを判断してもらいます。10年固定金利を選ぶのか、全期間固定金利を選ぶのか、といった点も同様に、10年経過後の金利が何%以上上がったら損になるのかの損益分岐点をシミュレーションして判断したり、子供の教育費や定年退職金など将来のライフプランを考慮して選択するといいですね。
②に関しては、途中繰上返済をしないのであれば、当初の返済負担は元金均等返済の方が多いものの、返済期間の途中で元利均等返済より返済金額が少なくなるため、総支払額では元金均等返済の方が少なくなります。一方で、元利均等返済の方が当初の返済金額は少ないため、元金均等返済より少ない分を貯めて、その分をこまめに期間短縮型の繰上返済に回せば、一定期間短縮した時点で総返済額は元金均等返済より少なくなります。そのため、一概にどちらが有利とも言えません。ライフプランを考慮して、あるいは資産運用方針を考慮して判断した方が良いでしょう。
③については、付加した場合の返済額アップが総額でいくらになるのかを計算します。そのアップ分が安いと思えれば付加すればいいでしょうし、高いと思えば付加しないとなるでしょう。とはいえ、家系的に、あるいはご自分の将来の健康状況に自信が持てなければ、付加しておいた方が安心かもしれません。また、金利0.3%アップで保障を付加できるケースで考えると、30歳の人が35年ローンを組む場合と、45歳の人が35年ローンを組む場合では、当然45歳の人の方が保険のお世話になる確率は高いですね。つまり、返済期間満了年齢が高い人ほど、保障を付加するかどうかという観点からみると有利ということになります。
④については、実質の住宅ローン金利より高い利回りで運用できるなら、頭金や繰上返済に回さないで運用に回した方が有利になります。例えば、10年固定で金利1.1%の場合、住宅ローン減税で年末の残高の1%が戻るのであれば実質負担のローン金利は0.1%ということになります。さらに、実質0.1%で団信保険がついている(団信保険料は銀行負担)ことを考えると、団信保険料分は金利で換算すると0.2~0.3%分に相当すると言われるため、実質負担なしで借りているようなもの。ローリスクの商品でも0.1%以上の利回りは確保出来ますし、団信も付いているので、繰上返済するより運用に回した方がより効果的と思います。住宅ローン減税が受けられない場合は、ローン金利がそのまま実質金利ですから、その金利以上で運用できるかがポイントになります。これまでの相談では多くの方が運用する方を選んでいますし、私も自身のローンは繰上返済しないでより有利と思える運用に回しています。
もう少し、低金利の状態が続くと思われますが、高い金利で借りられている方は、無駄なローン支払いを無くすために、お早めに借り換えを検討された方が良いでしょう。
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家計の見直し相談センター
この住宅ローン金利の低下に伴って、住宅ローンの借り換え相談も増え、多くのお客様の借り換えが進みました。借り換えする際のポイントとして、お客様からの相談で多いのは以下のような内容です。
①変動金利を選択するのか、一定期間の固定金利を選択するのか、全期間固定金利を選択するのか、あるいはそれらのミックスで借り換えた方が良いのか。全期間固定を選択する場合は、民間の金融機関の方が良いのか、フラット35で団信保険料は自己負担した方が良いのか、フラット35で団信に入らず民間の生命保険に加入した方が良いのか。
②元利均等返済にするのか、元金均等返済にするのか。
③がん保障特約や3大疾病保障特約や8疾病保障特約などを付加した方が良いのか、あるいは別の保険でカバーした方が良いのか。あるいは付けなくても良いのか。
④自己資金を多く投入して借り換えの金額を少なくした方が良いのか。あるいは、将来、定期的に繰上返済した方が良いのか。
まず、①に関して、変動金利を選択する場合は、「家計の見直し相談センター」独自の金利変動シミュレーションを用いて、将来の住宅ローン金利がどのように上下動したら返済金額がどのように変動するかをシミュレーションし、大まかな金利上昇変化幅の損益分岐点を把握します。あるいは金利急上昇の場合の返済金額をシミュレーションし、そのようなことが万一起こったとしても、ローン返済に支障がないのか、あるいは、いざという時に繰上返済で金利負担を軽減できるのか、といったことを確認し、変動金利を選択するかしないのかを判断してもらいます。10年固定金利を選ぶのか、全期間固定金利を選ぶのか、といった点も同様に、10年経過後の金利が何%以上上がったら損になるのかの損益分岐点をシミュレーションして判断したり、子供の教育費や定年退職金など将来のライフプランを考慮して選択するといいですね。
②に関しては、途中繰上返済をしないのであれば、当初の返済負担は元金均等返済の方が多いものの、返済期間の途中で元利均等返済より返済金額が少なくなるため、総支払額では元金均等返済の方が少なくなります。一方で、元利均等返済の方が当初の返済金額は少ないため、元金均等返済より少ない分を貯めて、その分をこまめに期間短縮型の繰上返済に回せば、一定期間短縮した時点で総返済額は元金均等返済より少なくなります。そのため、一概にどちらが有利とも言えません。ライフプランを考慮して、あるいは資産運用方針を考慮して判断した方が良いでしょう。
③については、付加した場合の返済額アップが総額でいくらになるのかを計算します。そのアップ分が安いと思えれば付加すればいいでしょうし、高いと思えば付加しないとなるでしょう。とはいえ、家系的に、あるいはご自分の将来の健康状況に自信が持てなければ、付加しておいた方が安心かもしれません。また、金利0.3%アップで保障を付加できるケースで考えると、30歳の人が35年ローンを組む場合と、45歳の人が35年ローンを組む場合では、当然45歳の人の方が保険のお世話になる確率は高いですね。つまり、返済期間満了年齢が高い人ほど、保障を付加するかどうかという観点からみると有利ということになります。
④については、実質の住宅ローン金利より高い利回りで運用できるなら、頭金や繰上返済に回さないで運用に回した方が有利になります。例えば、10年固定で金利1.1%の場合、住宅ローン減税で年末の残高の1%が戻るのであれば実質負担のローン金利は0.1%ということになります。さらに、実質0.1%で団信保険がついている(団信保険料は銀行負担)ことを考えると、団信保険料分は金利で換算すると0.2~0.3%分に相当すると言われるため、実質負担なしで借りているようなもの。ローリスクの商品でも0.1%以上の利回りは確保出来ますし、団信も付いているので、繰上返済するより運用に回した方がより効果的と思います。住宅ローン減税が受けられない場合は、ローン金利がそのまま実質金利ですから、その金利以上で運用できるかがポイントになります。これまでの相談では多くの方が運用する方を選んでいますし、私も自身のローンは繰上返済しないでより有利と思える運用に回しています。
もう少し、低金利の状態が続くと思われますが、高い金利で借りられている方は、無駄なローン支払いを無くすために、お早めに借り換えを検討された方が良いでしょう。
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家計の見直し相談センター
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by seikatsu2
| 2014-05-26 15:43